クルマやエンジンの排気量が大きくなっていくことは、必ずしもよいことではないが、新型レガシィ6は、それなりに価値のあるものだと思う。
今回のモデルでは一段とワイドになり、上級グレードでは3.2リッターのV6エンジンを搭載するに至り、すでにコンパクトとはいえなくなった。
レガシィって、2.0Rを除くと、「前へ前へ」って気合の入りまくったクルマだよね。GTスペックBなんて、ギャップ超えると内蔵痛むくらいの鬼グルマだもん。
コンパクトながらプレミアムスポーツとして一回り大きくなっただけあって、エクステリアデザインは、派手さはないが質感が高くお洒落だ。
フロントバンパーデザインがスッキリとより洗練され、ルックスはいい。セダンもツーリングワゴンもハンドリングのよさは2リッターゆずり。高いサスとシャシー剛性で、正確なハンドリングができるのがウリだ。
日本のこのテよりは大幅にマシなガソリン直噴。6ATのセッティングも同ユニット使用のVWよりずっとマシ。
出た当初は「4気筒2.5のほうがずっとマシ」と思ったけど今回は大違い。フラット6最新版はめちゃくちゃイイ! 低速からトルクありまくり。
来年導入予定のゴルフVとプラットフォームを共用化しているが、サイズはさらに拡大。品質感はアウディの特徴で完成度は高い。
従来にない「高級ブランド的ハッチバック車」の分野を開拓したA3。ヴィトンのサイフやグッチのペンシルケースといった具合に、機能的には標準、つまりベースとなったVWゴルフとさほど変わらない。
今までになく「高級なレガシィ」を造りたいんだろうけど、2リッターで十分じゃない? クオリティ、速さ的には文句ナシ。
A3には、多くの人がハッチバックカーというジャンルに対して抱く「お手軽で実用的」という下駄グルマ的精神は微塵も感じられない。