フィットと同じクラスの206に、ハイパワースペックの2リッターエンジンを搭載したのだから遅いワケありません。
乗るとファミリアよりひとつ上の車格のクルマになったことがすぐわかる。ボディ重量からして10%以上重くなっているのだから当然か。
背が高いのが取り柄のミニバンなのに、あえてローフォルムにして登場。室内スペースはまったく犠牲にせずに、走りを際立たせているのである。
日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞に輝いたレガシィの中でも、アウトバックは少々特異なキャラクターが与えられている。
6気筒エンジンを搭載する3リッターモデルは、動き出した途端「スムースだなぁ」と思う。アイドリングからレッドゾーンまでほとんど振動なし!
ハンドルを握っていると7人乗りのミニバンということを忘れてしまう。ステーションワゴンみたいな乗り味なのだ。
ツーリングワゴンと比べて車高が若干高くなったからといっても、ハンドリングが決して劣るという印象は皆無。
高さのあるミニバンらしい広い視界を求めるなら今ヒトツですが、信号待ちで隣に止まったスポーティセダンのドライバーと肩も目線も並ぶのはちょっと新鮮。
キュートでフレンドリーなイメージが強いプジョー206だが、RCはシリーズ最強の、熱い走りのユーロホットハッチだ。
レガシィワゴンベースのSUVであるアウトバックは、車高が高くしながら、サスセッティングを変えただけで、見事に異なる乗り味や価値観をカタチにした。
走りは尖ったアブソルートよりスタンダードモデルの方が全体的なバランスがよい。とくにCVTの賢さが光る。
マツダらしいデザインアイデンティティが感じられるルックス。インテリアも下手にフェイクを使ったりせずに、ブラック基調ですっきりまとめられたところに好感がもてる。
このクルマは206シリーズのスポーティバージョンではあるが、だからといってすぐにモータースポーツにつながるようなスパルタンなクルマではない。
車高を高くするとサスペンションの支持剛性が不足しがちになり、足もとがグラグラするような動きが出やすいのだが、アウトバックにはそれがない。
じつは、このクルマに関してまだどういう評価を与えていいか迷っている。それは車高の低いミニバンというコンセプトの部分。