ホンダは水素でもパワートレインの会社だった…FC EXPO 2023

GMと共同開発中のFCEVトラック用のFC
  • GMと共同開発中のFCEVトラック用のFC
  • 定置電源用のFCユニット
  • ホンダが提唱する定置型水素電源プラント
  • ホンダ ブース(FC EXPO 2023)
  • ホンダ ブース(FC EXPO 2023)
  • ホンダ ブース(FC EXPO 2023)

FC EXPO 2023ホンダのブースは、2024年に発表される予定のホンダFCEVの燃料電池モジュールと3MWクラスの定置型水素発電施設関連の技術を展示していた。

注目は再びホンダが市場に投入しようとしているFCVの燃料電池モジュール、ICE、ハイブリッド車ならばエンジンに相当するもの。英語の「Engine」には動力や力を発生するものという意味があるので、もちろんエンジンといってもいいのだが、日本語ではエンジンは内燃機関を指すことが多いため、パワートレイン、もしくはカテゴリを明確にするため燃料電池(FC)モジュールとした。だが、見た目は「エンジン」に見える。水素と排気・排水ライン(パイプ)が見えるのでよけいだ。ただし、出力は機械的な軸の回転ではなく電力となる。

展示の燃料電池モジュールは、2024年に市場投入が予定されているホンダ『CR-V』ベースのFCEVに搭載されるものと同じユニットだという。ただし展示の写真はGMと共同開発している別のトラック用の補器類がついている。したがって、乗用車に搭載される場合の外観とは異なる。

最大出力は80kW。出力電圧は275~600V。重量は206kg。エネルギー効率は最大58%としている。ホンダではFCの応用範囲(アプリケーション)を乗用車に限定しているわけではない。むしろ、大型車や建設機械や発電モジュール(定置電源)としての活用を考えている。大型トラックや建設機械、発電所などの用途を考えると動作環境も多様になる。

そのため、展示のプロトタイプモジュールもマイナス30度からの起動が可能なように、独自の温度管理・暖気制御機構を組み込んでいる。クラリティFCEV時代のモジュールからはコストで1/3、耐久性で2倍以上になっているという。『クラリティ フューエルセル』の知見を活かしつつ、汎用かつヘビーデューティーな用途をカバーする設計を進めている。


《中尾真二》

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