トヨタ佐藤社長「今期は意思を持って足場固めを進める」…次世代エンジン開発も積極化

トヨタ自動車の佐藤恒治社長
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トヨタ自動車の2024年3月期連結業績は高収益のハイブリッド車(HV)の販売が好調だったことに円安効果も加わり売上高、各段階の利益とも過去最高を更新した。だが2025年3月期は次世代技術への開発や人材への投資を増やすことで一転して減益となる見通し。

トヨタが5月8日に発表した2024年3月期連結業績は売上高が前期比21.4%増の45兆953億円、本業の儲けを示す営業利益は同96.4%増の5兆3529億円となった。

トヨタの佐藤恒治社長は同日の決算説明会で「前期は多様な商品を基盤に多くのクルマをお客様にお届けすることができた。今回の実績は長年のたゆまぬ商品を軸とした経営と積み上げてきた事業基盤が実を結んだ結果」と2024年3月期実績を総括した。

一方で佐藤社長は「クルマの未来を変えていく、その挑戦のためにはクルマ造りがしっかりできる基盤が必要。その意味でもグループ各社の不正問題やトヨタの余力不足の課題に正面から向き合って足場固めに取り組むことが将来の成長に向けた最重点事項である」と指摘。

その上で「ゆえに今期は意思を持って足場固めに必要なお金と時間を使っていく。10年先の働き方を今つくるという思いで余力を生み出して、安全、品質を徹底した仕事そしてジョブディスクリプション(職務記述書)を踏まえた個々人のスキルの向上、人材育成にしっかりと取り組んでいく。今期は成長領域への1兆7000億円の投資に加えて、人への投資に3800億円を使い仕入れ先や販売店の皆様と一緒に足場固めを進め、仕事のやり方を変えていく」と表明した。


《小松哲也》

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