SDV時代のファンクショナルアップデート、イータスの自動車DevOps…人とくるまのテクノロジー展2023名古屋

ETASのADAS用の8CH画像データロガー:光ファイバーによりリアルタイムの画像データを収集できる
  • ETASのADAS用の8CH画像データロガー:光ファイバーによりリアルタイムの画像データを収集できる
  • このような画像データログをADASカメラの機械学習、クラウド連携などを考えるにはE/Eアーキテクチャの考え方を変える必要がある
  • サプライヤーがSDVに対応するために必要なクラウド環境を構築する
  • 車両とクラウドをつなぐAPIやセキュリティソリューションも必要
  • ADASや自動運転開発に必要な車載カメラ映像をひたすらロギングするソリューション
  • ADAS、SDV関連のソリューション群

人とくるまのテクノロジー展2023」が7月5日から7日に名古屋でも開催された。5月に開催された横浜会場に続き賑わいを見せていたが、ホットなトピックのひとつはやはりSDVだった。

SDVの付加価値を高めるソリューション

ETAS(イータス)は従来からのECU開発に関連するツールや開発環境、ソリューションをメインに展示を行っていた。目を引いたのは車両クラウドとOTAに関するソリューションだ。車両クラウドやOTAは新しいものではないが、自動車をSDV(Software Defined Vehicle)たらしめる重要な機能のひとつだ。展示もパネルとスタッフによる説明がメインとなり、若干地味さはあるが、提案している機能は単なるソフトウェアアップデートではなく「ファンクショナルアップデート」というSDVの付加価値を高めるために重要なソリューションだった。

現状、車両のOTAやソフトウェアアップデートというとECUのファームウェアやマップデータを入れ替える作業やリコール対応のためのソフトウェア改修作業のイメージがある。だが、OTAによるソフトウェアアップデートはそのようなメンテナンス用途の技術にとどまらないはずだ。車の新しい機能を追加したり、不要になった機能を削除したりすることで、車両の付加価値を高めたり、陳腐化と無駄なリソースを最適化したりすることができる。

実際、テスラはライトやエアコン、ワイパー、あるいは加速やブレーキフィーリング(回生力の調整)をアップデートで変更したり、自動運転機能の改善を続けている。トヨタもKINTO車両に対して、機能の後付けやチューニングをサービス商品としている。


《中尾真二》

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