シビックの原点はゴルフより早く生まれ、そして先進的なクルマだった【懐かしのカーカタログ】

ホンダ・初代シビック
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11代目『シビック』がこの8月に発表となった。途中、欠落期間はあったものの、初代の登場から来年で50年となる。そこで今回はエポックメイキングだった初代を、当時のカタログとともに振り返ってみたい。

ナナハンの隣でも胸が張れるモンキーのようなクルマ

ホンダ・初代シビックホンダ・初代シビック
初代『シビック』の登場は1972年。『N360』に始まった軽自動車以外の乗用車にはセダン/クーペの『1300』『145』があったものの勢いがつかず、新たに次時代のベーシックカーとして社運をかけて開発、発売されたクルマだった。あのVW『ゴルフ』の初代モデルの登場が1974年だったから、それより早くの登場だったことを考えると、なかなか先進的なクルマだったといえる。

エンジン横置きのFFで、4輪ストラットの採用にも踏み切り、車高を低めに抑えた台形デザインで居住性と操縦安定性のバランスをとった。もちろん軽量化にも腐心し、1.2リットルの搭載エンジンはの重量は680kg(当初の目標値は600kgに設定されていたという)に収めた。

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一方で初代『シビック』といえば外せないのがCVCC(Compound Vortex Controlled Combustion=複合・渦流・調速燃焼)だ。副燃焼室を設け独自のリーンバーンを作り出すことで空燃比を薄く(CO2の発生を抑え)燃焼温度も下げる(NOxを少なくする)仕組みのこのCVCCは、厳しい規制内容のマスキー法(1970年、アメリカで制定された大気浄化法改正法)を世界で初めてクリアした乗用車として『シビック』に搭載、1973年12月に発売された。

“ナナハンの隣でも胸が張れるモンキーのようなクルマ”がコンセプトだったという初代は、最初にトランクを独立させた2ドア(トランクリッドのヒンジは上側で、下開きの『ミニ』とは反対だった)が登場。追ってハッチバック型の3ドアが設定された後、2ドア/3ドアよりホイールベースが80mm長い4ドアが登場し、さらにそのハッチバック版の5ドアが用意され、最終的には3ドアと5ドアがラインアップのメインに置かれた。

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そして1974年には1200の3ドアに、ツインCVキャブ、5速MT仕様で76ps/10.3kg−mの性能を発揮した「RS」を設定。“レーシング・スポーツ”ではなく“ロード・セイリング”と謳ったのは、環境、燃費性能が商品特徴だった『シビック』らしい配慮からだった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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