ハーレーダビッドソン初来日CEOが語った「ハードワイヤー」計画、その6つの柱とは

初来日したツァイツCEO(左)より紹介されたハーレー「CVO ストリートグライド」と「CVO ロードグライド」
  • 初来日したツァイツCEO(左)より紹介されたハーレー「CVO ストリートグライド」と「CVO ロードグライド」
  • 「CVO ストリートグライド」と「CVO ロードグライド」
  • 会場で紹介されたハーレー「CVO ストリートグライド(左)」と「CVO ロードグライド(右)
  • 会場で紹介されたハーレー「CVO ストリートグライド(左)」と「CVO ロードグライド(右)」
  • 会場で紹介されたハーレー「CVO ストリートグライド(左)」と「CVO ロードグライド(右)」
  • ハーレー「CVO ストリートグライド(左)」と「CVO ロードグライド(右)」
  • ハーレー「CVO ストリートグライド(左)」と「CVO ロードグライド(右)」
  • 「CVO ロードグライド」

今年、誕生120 周年を迎えるハーレーダビッドソンの最上級シリーズの最新作、『CVO ストリートグライド』と『CVOロードグライド』のジャパンプレミアが6月16日に東京・虎ノ門にて開催された。

◆ヨッヘン・ツァイツ氏が語る「ハードワイヤー」計画、その6つの柱とは

現在、第二段階に入った「ハードワイヤー計画」。自身の打ち出した構想を語るツァイツ氏現在、第二段階に入った「ハードワイヤー計画」。自身の打ち出した構想を語るツァイツ氏

アンベールに先立ち今回、初来日となる米国本社 CEOの ヨッヘン・ツァイツ氏から日本戦略について語られた。

「ハーレーと日本のつながりは深く、1930年代から販売されていました。実はハーレーが初めて海外に展開した国が日本なのです。その地に今、自分がこうして立てたことを嬉しく思います」とスピーチ冒頭から心を打つ挨拶で始まった。

2020年から現職に就いたツァィツ氏が打ち出した「ハードワイヤー」と名付けられた5か年計画は現在その第二段階にあるという。その6つの柱として掲げるのは「収益性の重視」はもちろんのことブランドの「選択と再定義」を進めつつ「電動化をリード」すること。また「バイクのその先にある成長」や「インテグレートされた顧客体験」、「ステークホルダーマネジメント」など経営全般に関わる広範なものだ。

この6つの分野で成長拡大を続けることで、モーターサイクルというプロダクトだけでなくアドベンチャーやライフスタイルなどを含むエクスペリエンス(体験)を提供するブランドを目指すという。

一例として紹介していたのがアドベンチャーツアラーのセグメント。未舗装路でも走れるハーレー初のアドベンチャーモデルとして『パンアメリカ1250』を2021年に投入したが、ハーレーらしい独自のデザインと最新技術で世界ではもちろん日本でも大成功を収めた。

また、2023年春に発表した『X350』についても紹介。「ハーレーらしいデザインでありながら、走る楽しさや個性を引き立てるアーバンコミュニティ」として、若い人に乗ってもらいたいエントリーモデルとしても最適とのこと。日本でのローンチも検討しているとした。また、4月には『X500』も上海国際モーターショーでアンベールしており、そちらの動向も気になるところだ。

◆バイクを超えて…「ハーレーダビッドソン」の持つブランドの価値とは

バイクを超えて新しいカテゴリーへ、という目標達成に向けてまず強化したいのがアパレル。世界中で知られているハーレーの知名度を生かしたブランド展開を積極的に行っていく。その一環として、東京発のストリートブランド「ネイバーフッド」とのコラボレーションを開始した。共にバイクを愛するスピリットがあり、クラフトマンシップにもこだわったモノ作りという点で両者のコラボは自然な流れだ。また、米国で展開している個性的なライフスタイルブランド、「ハーレーダビットソン・コレクション」についても今後日本での展開を考えている。

ハーレーの強みであるカスタマイズの分野については、アパレル以外にもパーツやアクセサリーも重要。

「CVO」とはカスタム・ビークル・オペレーションズの略称。ハーレーブランド発のカスタムモデルだ「CVO」とはカスタム・ビークル・オペレーションズの略称。ハーレーブランド発のカスタムモデルだ

カスタムを通じて個性を表現することができるのもハーレーというブランドが持つ価値だと思っている。特にバイクのカスタム文化がとても発達している日本では力を注いでいきたい。「我々はプロダクトだけでなくエクスペリエンスを提供するブランドでもある」とツァイツ氏。

ハーレーがあるライフスタイル、それを身近に体験できるイベントが「ブルースカイヘブン」だ。昨年は雨天にも関わらず8000人が来場。今年も1万人を目標に展開していきたい。さらにハーレー本社のある米国・ミルウォーキーで今年7月に開催される120周年記念を祝うホームカミングイベントでも数万人規模の集客を予定しているとのこと。

電動化について。「ライブワイヤー」は2019年にハーレーが開発した電動バイクブランドだ。ハーレーらしさ、アドベンチャーのスピリットを持ったブランドであり現在は別会社としてニューヨーク株式市場にて上場している。近々ニューモデルの北米や欧州でローンチを予定、日本での展開も考えているので楽しみにしてほしい。長期的にはハーレーの様々なプロダクトにも電動化の技術を組み込んでいきたいという。

◆「ハーレー」人気の強い日本市場を重要視 120周年記念のニューモデルに期待が高まる

写真左が「SVOストリートグライド」右が「SVOロードグライド」どちらも会場で紹介されたニューモデルだ写真左が「SVOストリートグライド」右が「SVOロードグライド」どちらも会場で紹介されたニューモデルだ

ハードワイヤー戦略の6つめの柱が「ステークホルダーマネジメント」。2050年までにはカーボンニュートラルを目標にしている。そしてプロフィット重視。ツアラーでもクルーザーでもオンロードでもオフロードでもそれは大事なことで、日本でもすでにローンチした全世界1500台限定のスーパープレミアムな「CVOロードグライドリミテッドアニバーサリー」など限定モデルを次々と発表し好評を博している。

2022年には日本での新規登録台数1万台を突破するなど絶好調のハーレー。今年は誕生120周年記念イベントを控えニューモデルも目白押しということなので期待したい。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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