ドゥカティの電動バイクレーサー、テストの最初の段階は順調…2023年から供給へ

プロトタイプの開発開始から4か月で第1段階を終了

2023年からドゥカティが唯一の公式車両サプライヤーに

市販電動バイクを製造する方法を研究するのが狙い

ドゥカティの電動バイク「FIM Enel MotoEワールドカップ」参戦プロトタイプ
  • ドゥカティの電動バイク「FIM Enel MotoEワールドカップ」参戦プロトタイプ
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ドゥカティは4月17日、2023年から「MotoGP」の電動クラス「FIM Enel MotoEワールドカップ」(MotoE)に供給予定の電動バイクに関して、プロトタイプによるテストの最初の段階が順調に進んでいると発表した。

◆プロトタイプの開発開始から4か月

ドゥカティ初の電動モーターサイクルは、2021年12月にミサノ・ワールドサーキットで実施された最初のサーキットテスト以来、収集されたデータの分析、技術開発、社内や主要なサーキットで実施された数多くのテストを通じて、絶え間なく進化してきた。

バレルンガ・サーキットでドゥカティのMotoEマシンをライディングしたのは、2019年のFIM Enel MotoEワールドカップに参戦し、電動モーターサイクルの扱いに精通している元世界選手権ライダーのアレックス・デ・アンジェリス選手だ。同氏は、MotoEプロトタイプを最初にライディングし、長い経験を持つミケーレ・ピッロ選手とともに、このプロジェクトの開発チームに正式に加わった。

ドゥカティのロベルト・カーネeモビリティ・ディレクターは、「プロトタイプで初のサーキットテストを実施して以来、プロジェクトの開発作業は止まることなく続けられてきた。プロトタイプは、開発の開始から4か月で、イタリアの主要なサーキットを走行し、ポジティブな感触を得ている。やるべきことはまだ多いが、正しい方向に進んでいることは確か」と話す。

ドゥカティの電動バイク「FIM Enel MotoEワールドカップ」参戦プロトタイプドゥカティの電動バイク「FIM Enel MotoEワールドカップ」参戦プロトタイプ

◆2023年からドゥカティが唯一の公式車両サプライヤーに

ドゥカティは2023年から、同レース唯一の公式車両サプライヤーになる。契約は2026年まで。ドゥカティは、2023年から4シーズンにわたって、MotoE ワールドカップ用のマシンを供給する。

コードネーム「V21L」の名前が与えられたプロトタイプは、「ドゥカティ・コルセ」チームとドゥカティの研究開発部門との間の緊密なコラボレーション、継続的なノウハウの共有により、パフォーマンスと電動モーターサイクルにおける軽量設計のベンチマークを達成することを目標に製作された。

MotoEプロジェクトは、ドゥカティの電動化の時代の始まりを示すものであり、ドゥカティの歴史上、重要なステップになるという。ドゥカティは、今後数か月にわたり、マシンの技術的進化に加え、プロジェクトに関する詳細な情報を、世界に向けて継続的に発信する予定だ。

ドゥカティの電動バイク「FIM Enel MotoEワールドカップ」参戦プロトタイプドゥカティの電動バイク「FIM Enel MotoEワールドカップ」参戦プロトタイプ

◆市販電動バイクを製造する方法を研究するのが狙い

レースの世界で開発された技術を、製品ラインナップに移植することにより、ドゥカティは高性能なモーターサイクルを市販することを可能にしてきた。FIM Enel MotoE ワールドカップもこの点で例外ではなく、参戦するマシンを製作することで、スポーティで軽量かつパワフルな電動バイク向けテクノロジーとテスト方法を開発することができるという。

ドゥカティは、2030年までに電動化モデルを製品ラインナップの主力に位置付ける「New Auto」戦略を掲げるフォルクスワーゲングループの一員だ。この戦略は、電動パワートレインへと変化を遂げるための最善の道筋を示しているという。

電動バイクの世界におけるドゥカティのこの最初のステップは、製品ラインナップの進化にも影響を与える。現在、この分野で最も重要な課題は、サイズ、重量、航続、充電ネットワークの拡充だ。FIM Enel MotoE ワールドカップにおけるドゥカティの経験は、テクノロジーや化学分野における進化とともに、製品の研究開発における基盤になる。その目標は、テクノロジーが許す限り、スポーティで、軽く、スリリングで、すべてのファンを満足させることができるドゥカティ製の市販電動バイクを製造する方法を研究することにあるという。

《森脇稔》

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