保険金目的で娘を殺した母親に懲役18年の実刑判決

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交通事故を装い、保険金目的に実の娘を殺害したとして、殺人や殺人未遂罪に問われた64歳の女に対する判決公判が4日、さいたま地裁で開かれた。裁判所は被告の女に対し、懲役18年の実刑を命じている。

問題の事件は1999年8月6日に発生している。同日の夜、埼玉県美里町内で当時33歳の女性がクルマにはねられて死亡するという事故が起きた。

当初は通常の交通事故として処理されていたが、2003年秋に詐欺事件で逮捕された男が「自分は関与していないが、知人から交通事故を装った殺人事件に誘われた」と取り調べで証言したことから事件が発覚。これを受け、警察では内偵捜査を開始した。

その結果、被害者の実の母親が保険金を目当てに知人らと共謀の上で起こした偽装事故であることが後に判明し、関係した全員が逮捕。この事故以前にも同様の事故を起こそうとしていたことがわかり、女は殺人と殺人未遂の容疑で逮捕。同罪で起訴されていた。 

3日に行われた判決公判で、さいたま地裁の若原正樹裁判長は、、「殺害された娘は借金を繰り返し、被告に迷惑を掛けたが、だからといって犯行を正当化させる理由にはならない」と厳しく指摘した。

その上で「極悪非道な犯行。情状を酌量する余地はない」として、検察側の懲役20年の求刑に対し、懲役18年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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