【ヨコハマ ジオランダーA/T4 試乗】見た目を裏切る静けさ、素直に乗れるオフロードタイヤ…九島辰也

ヨコハマタイヤ『ジオランダー A/T4 (G018) 』
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横浜ゴムの老舗オフロードタイヤ「ジオランダー」に新たなモデルが加わった。オールテレインタイヤの「ジオランダーA/T4 (G018) 」だ。これは従来品A/T G015の後継で、ジオランダーA/Tシリーズでは4世代目となる。

◆SUV市場の拡大で求められるオフロードタイヤ、大事なのはカッコよさ…?

ヨコハマタイヤ『ジオランダー A/T4 (G018) 』ヨコハマタイヤ『ジオランダー A/T4 (G018) 』

今、老舗ブランドが動いたのには理由がある。それはマーケットの巨大化で、日本におけるSUVとピックアップトラックの販売台数が年々増えているからだ。それを踏まえ、ヨコハマタイヤの新中期経営計画(YX2026)の第1弾としてジオランダーの新商品タイヤが登場した。今後ADVANやウインタータイヤも市場導入していく予定である。

ジオランダーA/Tの歴史を振り返ると、第1弾は1996年のG011に遡る。2006年に第2弾のA/T-S (G012)が出て、2016年のG015へと続いた。その間アグレッシブオールテレーンのX-AT(G016)なんてのもあり、ジオランダーブランドを盛り上げたのは言わずもがなだ。

ヨコハマタイヤ『ジオランダー A/T4 (G018) 』ヨコハマタイヤ『ジオランダー A/T4 (G018) 』

では新型はどういったニーズに応えているのか。その答えは自社のインターネット調査によるところが大きい。タイヤに期待するのは、上から順にウエット性能、乗り心地、ドライ性能、ハンドリング、摩耗いう結果だそう。利用シーンとしてはレジャーや買い物が多いようだ。また、購入動機は性能面よりも、「デザイン・スタイルが好き」という嗜好性が強いこともキーポイントになった。

◆全方位で性能向上“本物”のデザインを纏って正常進化

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そのような背景から新商品は開発されたといっていいだろう。オフロード性能や耐摩耗性のアップもそうだが、よりオフロードタイヤらしいトレッドパターンとサイドブロックを有する。ひと目見てもらえればわかるが、確かにオフロードタイヤ然とした佇まいだ。トレッドパターンは厳つく、接地面を広げたスクエアプロファイルを採用する。オフロードタイヤとしてのかっこよさはさらに高まった。

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ユニークなのは、新開発の「デュアルサイドウォール」。表裏異なるサイドウォールデザインを持ちながらどちらも使えるという必殺技だ。セリアルサイド、反セリアルサイドともにワイルドさを持ち合わせているのでご心配なく。好みで選ぶなんてのもワルくない。

性能は従来品レベルの車外内騒音をキープしながら、オフロード性能・耐カット・チッピング性能・スノー性能を飛躍的にアップしたという。要するに見た目通りに活躍するということだ。もちろん、ニーズに応えるという点で、ウェット性能とドライ性能もこれまでよりアップしているそうだ。

◆タイプの異なる4WDでマッチングを検証、どんな車もワルくない

ヨコハマタイヤ『ジオランダー A/T4 (G018) 』ヨコハマタイヤ『ジオランダー A/T4 (G018) 』

では実際に走らせるとどうなのか。用意された試乗車(ジープ『ラングラー』、三菱『トライトン』、トヨタ『ハイラックス』『RAV4』など)でダートコースを走ってみた。サイズはトライトンがLT265/60R18、ラングラーはLT315/70R17を装着していた。

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タイヤサイズについては、思いのほか多く感じられた。16インチをメインに15インチから20インチまで幅広く用意される。実際に自分のクルマに対応するか調べるとたまに微妙に合わなかったりもするんだけど、そこは“ヨンクあるある”かな。

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試乗コースはダートメインでロックセクションで感じられるような岩を鷲掴みにするようなグリップ力は得られなかったが、それでも接地はしっかりしていてタイヤのパフォーマンスは引き出せたと思う。

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特に轍が掘られてきたハンドリングコースでの脱出力は高く、トレッドが泥を掴みに行っているのがわかる。アクセルの細かなコントロールにタイヤがきちんと対応しているのは嬉しい。サイドウォールもしっかり働いていてオフロードで充分遊べそうな気配を感じた。

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また、オンロードも思いのほかよかったことを付け加えよう。見た目以上に静かで、車内での騒音は明らかに許容レベルである。乗り心地もそうで、見た目の印象をいい意味で裏切ってくれる。騒音、乗り心地は“デシベル(db)”を開発するメーカーの得意分野かもしれない。お見事である。

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そんな試乗であったが、せっかくのオフロードタイヤなので、ロックセクションやダウンヒルなども試したかったのは本音だ。オフロード走行はダートのみじゃないからね。アメリカでは“岩”、英国では“渡川”が必須項目となる。それにSUVのオフロード性能がいくら上がっても路面と接地するのはタイヤだから、その仕上がりは注目に値する。もしチャンスがあれば、さらに過酷な環境を走りたいと感じさせるタイヤであった。

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《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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