日本製鉄、2兆円超で米USスチールを買収…EV需要の拡大見込み[新聞ウォッチ]

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  • ホンダがタイでEVを生産
  • AZECサミット(12月18日)

古くは「鉄は国家なり」とも呼ばれていた時代もあったが、そんな隆盛を極めたリーディング・カンパニーの威厳を再び彷彿とされるような大型買収である。

◆日本製鉄として過去最大規模の買収案件

国内鉄鋼最大手の日本製鉄が、米国で有数の鉄鋼メーカーのUSスチールを買収する。買収額は2兆円を超え、日本製鉄として過去最大規模の買収案件となる見通しだという。

両社が発表したもので、きょうの日経が1面トップで「日鉄、USスチール買収、2兆円、粗鋼世界3位に」とのタイトルで報じたほか、読売、朝日なども1面や経済面に大きく取り上げている。

◆世界3位の製鉄会社に

発表によると、日本製鉄が米子会社を通じてUSスチールの全株を取得し完全子会社にするもので、USスチールの株主総会での承認などを経て、年明けの2024年4月以降のM&A(企業の合併・買収)を目指すそうだ。

2022年の粗鋼生産量で日本製鉄は世界4位の約4400万トン、USスチールは27位の約1400万トンとされており、単純合算すると世界の第3位に浮上する。

◆米国市場で需要増、国内市場は縮小

買収の狙いについては「電気自動車(EV)の普及などにより、米国市場では鋼材の需要増が見込まれる。EVのモーターに使う電磁鋼板など、高い技術を生かすことができ、収益性が高い製品を売り込む好機となりそうだ」(読売)としている。

さらに、海外で規模拡大を進める背景には「人口減による国内市場の縮小への危機感が強いためだ」と指摘。鉄鋼各社は脱炭素化への対応を迫られ、転換期を迎えているが、今後、水素を使う方法や電炉の活用などの実用化に向けて、巨額の投資が必要となる。「今回の買収で世界の物流網や販売網を再整備し、事業の効率化を加速させる」とも伝えている。

2023年12月19日付

●日本製鉄、米鉄鋼買収へ、USスチール2兆円超(読売・1面)

●日本主導アジア脱炭素、AZEC初の首脳会合(毎日・2面)

●水素普及へ支援、15年間で3兆円、政府(産経・5面)

●トヨタ、鶏ふん由来水素でレース参戦(東京・6面)

●冬ボーナス最高の86万円、2.62%増、サービス業けん引、本社調査(日経・1面)

ホンダ、タイで乗用EV、生産、日本勢で初(日経・10面)

●賃上げ2024、統一ベア要求掲げず、全トヨタ労連、4年連続(日経・13面)

●オートバックスが早期退職募集独(日経・13面)

●トラック脱輪冬多発、件数、10年で9倍増、点検・締め直し呼びかけ(日経・38面)

《福田俊之》

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