フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)ブランドは9月29日、2028年までドイツ国内の生産計画の再編について監査役会に報告した。VWが始動したパフォーマンスプログラム「ACCELERATE forward | Road to 6.5」の一環だ。
VWのトーマス・シェーファーCEOは、「自動車業界は複雑な課題に直面しており、厳しいビジネス環境の中で変革を進めている。その中で、ドイツ国内の生産ネットワークを未来に備える。新たな生産計画は、強力で競争力のあるVWブランドの成長に貢献する」と述べた。
生産担当のクリスチャン・ヴォルマー役員は、「電動車への移行を機に、工場の効率を向上させる。VWグループのすべてのブランドでアーキテクチャを共通することでコストを節約する。めざすところは、一つの車両アーキテクチャを技術的基盤として、各工場で複数のモデルを生産することだ」と付け加えた。
主力のウォルフスブルク本社工場では、2023年に生産が本格化する『ID.3』に加えて、2つ目の電動車モデルを生産する。2026年には量産Aセグメント向け新型全電動SUVがラインオフする予定だ。ベストセラーの『ゴルフ』と『ティグアン』次期型により、工場の稼働率も確保される。2025年からは『ティグアン・オールスペース』後継も生産される予定だ。
今回の生産プランで、ウォルフスブルクのヴァルメナウ工場新設は中止された。代わりに、SSPアーキテクチャ(スケーラブルシステムプラットフォーム)に基づく電動モデルが2020年代の終わりに導入され、ウォルフスブルク本工場で生産される。ゴルフも、このタイミングでSSPによって電動化される。これに伴い、従来ヴォルフスブルク工場で2026年からの生産が計画されていた、高性能電動セダン「トリニティ」プロジェクトは、ツヴィッカウ工場に移管されることとなった。
オスナブリュック工場では、ポルシェとのパートナーシップを続ける。また『アルテオン』と『T-ロック・コンバーチブル』の内燃機関車の生産も継続する。
VWブランドの他の拠点については、ドイツ国内外とも従来の計画が維持されるという。