タイヤライフを伸ばすローテーションを実施する ~Weeklyメンテナンス~

タイヤライフを伸ばすローテーションを実施する ~Weeklyメンテナンス~
  • タイヤライフを伸ばすローテーションを実施する ~Weeklyメンテナンス~

タイヤ価格がじわじわと上がっている。そうなると少しでもタイヤを長持ちさせたいと思っている読者も多いだろう。そこでタイヤライフを伸ばすポイントのひとつであるローテーションを実施することをオススメする。

日常点検の項目に入っているタイヤだが、一般のドライバーはガソリンスタンドに行ってタイヤのエアを補充するシーン以外では、なかなかタイヤの状態を見ることはないのではないだろうか? しかしタイヤは当然だが走行すればそれだけ摩耗していくものだし、無意識に乗っていると思わぬトラブルで予想以上にタイヤ寿命が縮んでしまうことがあるのだ。

例えば特定のタイヤだけが減ってしまって、交換を余儀なくされるケースだ。クルマのタイヤは四輪が均等に減るわけではなく、一般的にはドライバーが乗っている右前輪がもっとも減りが激しい車輪になる(特にFF車の場合)。そのままでは他のタイヤはまだまだ使えるのに右前輪のトレッド面だけがすり減って限界を迎えることがあるのだ。また、センター部分はまだまだ溝が残っているのにタイヤのショルダー部分だけがすり減ってしまい、当初の性能が発揮できなくなってしまうパターンもある。

いずれの状態でもタイヤの本来の寿命を発揮したとは言えないので、早期の交換になってしまいムダが出てしまう。またタイヤ性能的にも本来の性能を使い切っているとは言えず、もったいない使用方法になるのだ。

そんなムダを無くしてタイヤの本来持っている寿命をまっとうさせるために欠かせないのがタイヤ・ローテーションだ。いわゆるタイヤ装着位置の交換のことだ。基本的な目的は前輪と後輪のタイヤを交換して(作業としてはホイールごと交換する)、均等にタイヤを減らすことで交換時期を少しでも延ばし、同時に交換するときには4本のタイヤがほぼ均等に減っているという経済的にも走行性能的にもメリットのあるメンテナンスなのだ。

ローテーションの方法は前後の位置交換を実施するのがセオリー。回転方向のあるタイヤ(サイドウォールに回転方向を示す矢印が付いている)の場合は、右前輪←→右後輪、左前輪←→左後輪と入れ替える。回転方向のないタイヤの場合は右前輪→右後輪→左前輪→左後輪→右前輪の順に入れ替え、文字通りローテーションする感覚だ。これで各タイヤの負荷が均等化され、摩耗も均一に近づく。

交換時期は5000km程度を目処に実施するのが良いのだが、スタッドレス→サマータイヤへの交換時期、車検時などホイールを外すタイミングがあれば積極的にローテーションをオーダーすると良いだろう。ホイールを脱着するタイミングであれば工賃も掛からない場合が多いのでお得なのだ。またタイヤ交換を実施したタイヤ専門店であればリーズナブルにローテーションを実施するサービスを用意する場合もあるのでチェックしてみると良いだろう。もちろんディーラーやカー用品店などでもローテーション作業を受け付けている。ただ、ローテーションだけでショップに出向くのもおっくうというユーザーも多いので、何かの作業をオーダーするついでにローテーションをお願いするのも良いのではないだろうか。

一方、スペアタイヤを装備しているクルマであればジャッキがあるのでDIYでもタイヤローテーションは可能だ。安全にクルマを停めてジャッキアップできる場所を確保して作業開始。ホイールを外してスペアタイヤを一時的に装着して、外したホイールを順にローテーションの順番通りに入れ替えていく作業になる。作業は面倒だが落ち着いてやれば難しい作業ではないだろう。ただひとつ注意したいのがホイールナットの締め付け。規定の締め付けトルクをトルクレンチを使って測定して、正しく締め付けることが必要。万が一のトラブルを避けるために守りたいポイントだ。

タイヤの寿命をフルに使い切り、タイヤ性能もムダ無く利用できるタイヤのローテーション。これまではタイヤ空気圧しか気にしていなかった読者も、これを機会に注目してみてローテーションを定期的に実施して安心、安全、お得にドライブしよう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

《土田康弘》

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