「最短ルートを案内しない」スバルのアプリ『SUBAROAD』がドライブを面白くするかも

スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ
  • スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ
  • スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。旅のお供はレヴォーグ STIスポーツだ。
  • 「SUBAROAD(スバロード)」のコース選択画面(左、中央)と、スタート地点での画面(右)
  • 「SUBAROAD(スバロード)」のナビ画面(左1、左2)。あえて寄り道を案内する。右は到着時の画面。今回は約5時間半の旅だった
  • スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。断層マニアにはたまらないコースだ。
  • スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。千葉県最古のダムである亀山ダムもコースに。
  • スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ
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スバルのスマホ用無料アプリ「SUBAROAD(スバロード)」は、ひと味違ったドライブを楽しめるアイデアもののアプリだった。

みなさんよくご存じのミシュランガイドは、タイヤメーカーのミシュランが魅力あるレストランやホテルを紹介することで、ドライブの機会を増やそうという目論見で始めたもの。「SUBAROAD」も、ミシュランガイドにのようにドライブにいざなうアイテムなのだ。

ダウンロードサイトでは「走る道のすべてを発見と刺激へナビゲートする、SUBARUオーナーのためのドライブアプリ。」と説明されているが、スバル車オーナーでなくても使うことはできるし、スバル車オーナーに特典が用意されているようなこともない。とはいえ、使用に際してはSUBARU IDでのログイン(SUBARU IDもだれでも取得可能)の必要があり、車種選択にはスバル車のみが表示されるので、やはりスバル車に乗っている方が使ったほうがスッキリと使える。

◆あえて少し外れた道を案内するのがスバルらしい

スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。旅のお供はレヴォーグ STIスポーツだ。スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。旅のお供はレヴォーグ STIスポーツだ。

一般的なカーナビやナビアプリは、目的地への最短、最良のルートを表示すが、SUBAROADは推奨されるドライブコースを巡るためのルートで案内を行う。現在、用意されているルートは和歌山、淡路島、奥多摩、広島(2ルート)、群馬、千葉/房総、伊豆(3ルート)の計10ルートが設定されている。少し外れた道を案内することで、既存のナビでは楽しめないことを楽しめるようにすることが目的で、開発陣はこの考え方がスバル車オーナーの気質に合っていると感じたという。

使い方は簡単で、まず自分が行きたいコースを選ぶ。画面に表示された「この経由地を追加」ボタンをタップすることで、候補の経由地をドライブコースにプラスすることができる。画面に表示された道や経由地をタップすることで詳細が確認でき、自分が求めている目的にあったものかどうかを確認できる。

SUBAROADの売りのひとつがBGMの設定ができること。GPS情報を元にポイントごとに選択したBGMが自動的に流れる仕組みになっている。BGMはAWAと連携、ライブラリから選ぶ、BGMなしの3つから選択が可能。AWAと連携させる場合には、AWAの規約に基づいた再生内容となるため、フル尺再生を希望する場合はAWAの有料プランに加入する必要がある。

◆千葉のディープスポットをめぐるドライブ

「SUBAROAD(スバロード)」のコース選択画面(左、中央)と、スタート地点での画面(右)「SUBAROAD(スバロード)」のコース選択画面(左、中央)と、スタート地点での画面(右)

いよいよドライブスタートとなるが、SUBAROADはドライブのスタート地点も決められているので、まずはそこまで移動する必要がある。スタート地点までは案内されないので、そこまでの移動は普段のカーナビやナビアプリを使うことになる。

スタート地点からはSUBAROADの指示どおりに走って行く。この際、指定ポイントまでのBGMはSUBAROADに保存されているBGMが流れる。また、ポイントごとに見所や豆知識も提供してくれるので、単純にそこを通り過ぎるだけでない楽しさがある。

今回は千葉のドライブコースを選択。コースには地球の歴史のなかで起きた地磁気逆転期の地層である「チバニアン」や、「川廻し」と呼ばれる上総地方特有の河川工事、手掘りのトンネル、千葉県最古のダムである亀山ダムなどがポイントとなっていた。ポイントが近づくと、そこがどんな歴史のあるところかなのかが解説される。名前は知っていても詳しい情報は知らなかった場所が多く「へー」連続のドライブとなった。

スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。断層マニアにはたまらないコースだ。スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。断層マニアにはたまらないコースだ。

◆点と点、ではなく移動そのものに楽しさを

ナビでもポイントを設定しておけば、ポイントとポイントには案内してくれる。しかしナビの案内は点と点を効率よく繋ぐだけでその間の「線」は重視されないが、SUBAROADはその間の線も大切にする。ルートの確定は実際に開発陣が走って決めている。ルートや立ち寄りポイントはスバルのスタッフだけでなく、地元ディーラーのスタッフも参加しているのでディープな道のりを実現できているわけだ。

ドライブの魅力を高めてくれるSUBAROADだが、ちょっとした課題も残っている。現状ではAppleCarPlayやAndroid Autoには対応しておらず、スマホを直接操作する必要があるため、ドライバーが操作する場合はスマホホルダーが必要。ナビの案内が遅く、右左折のポイントを逃すこともある。といった2点が大きく気になる点だった。

これらの課題についてはスバルも把握していて、これからの改善も大いに期待できるところ。今後のバージョンアップも含めて、期待の大きなアプリだといえるだろう。

スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。千葉県最古のダムである亀山ダムもコースに。スバルのナビアプリ「SUBAROAD(スバロード)」で千葉をドライブ。千葉県最古のダムである亀山ダムもコースに。
《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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