ヒョンデが585馬力のEV、高性能「N」ブランドから提案…ベースはアイオニック6

将来的に高性能EVの市販の可能性を探る実験車

最高速は250km/h以上

ブレーキ性能や空力性能を強化

ヒョンデ RN22e
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ヒョンデ(現代自動車)は7月15日、韓国で開催した「N Day 2022」において、高性能な「N」ブランドのコンセプトEV『RN22e』を発表した。流線形デザインが特長の新型EV『アイオニック6』をベースにしたパフォーマンスモデルの提案だ。

将来的に高性能EVの市販の可能性を探る実験車

N Day 2022の「N」とは、ヒョンデの高性能ブランドの「N」を意味する。ヒョンデは2015年秋、Nブランドの立ち上げを発表した。Nは、ヒョンデが新たに立ち上げたサブブランドだ。

Nは、WRC(世界ラリー選手権)などモータースポーツのノウハウを導入し、ヒョンデ初の高性能車に特化したブランドとなるのが特徴。Nとは、ヒョンデの韓国の研究開発拠点の所在地の南陽と、開発テストの舞台であるドイツ・ニュルブルクリンクに由来する。

RN22eは、ヒョンデのEV向け車台の「E-GMP」をベースにしながら、サーキットに対応するパフォーマンスを実現することを目指した。RN22eは、E-GMPをベースにしたヒョンデNの最初の実験車両として、Nブランドのビジョンと方向性を示し、将来的に高性能EVの市販の可能性を探っていくという。

最高速は250km/h以上

RN22eでは、前後に搭載されるモーターが強化されており、システム全体で585hpのパワーと75.5kgmのトルクを引き出す。これは、ベース車両のアイオニック6のデュアルモーターAWD仕様(最大出力325hp、最大トルク61.7kgm)に対して、260hp、13.8kgmの上乗せとなる。バッテリーはベース車両同様、蓄電容量が77.4kWhだ。最高速250km/h以上の性能を実現している。

RN22eでは、ツインクラッチによるトルクベクタリングを可能にしている。3Dプリントによるパーツによって軽量化と剛性アップを図り、コーナリング性能を追求する。AWDを搭載したRN22eは、さまざまな駆動モードに応じて最適化されたトルク配分を行い、ドライバーが前輪と後輪のトルクパワーを選択できるようにしている。

RN22eは、ダイナミックなドライビングフィールのために、内外のスピーカーから音を発する「NSound+」を採用する。さらに、「N e-shift」が、振動とシフトフィールを、NSound+と連動させている。

ブレーキ性能や空力性能を強化

RN22eではサーキット性能を強化するために、冷却性とブレーキ性能に重点が置かれた。4ピストン仕様のモノブロックキャリパーと直径400mmハイブリッドディスクを装備することにより、RN22eはパワーエレクトリック(PE)システムの重量に耐えることができるという。ヒョンデNは今後、回生ブレーキを使用しながら、コーナリング時のヨーを正確に制御するシステムの研究開発を進めていく。

アイオニック6の流線形デザインをベースにしながら、パフォーマンスを最大化するために、ヒョンデNはモータースポーツから得たノウハウを応用した。具体的には、最低地上高を低くし、ショルダー部分を強調することで、ワイドでタフなフォルムを構築している。アイオニック6に対して、ロワバンパーをスポーティな専用デザインに変更した。大型リアウイングなどの専用エアロパーツを採用。これらの装備により、RN22eは冷却性能と空力性能を引き上げているという。

RN22eのボディサイズは、全長4915mm、全幅2023mm、全高1479mm、ホイールべース2950mm。ベース車両のアイオニック6(全長4855mm、全幅1880mm、全高1495mm、ホイールベース2950mm)に対して、60mm長く、143mmワイドで、16mm背が低い。2950mmのホイールベースは変わっていない。


《森脇稔》

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