ブラックバッジが日本でヒットするには理由がある…ロールスロイス ゴースト

ロールスロイス ブラックバッジ・ゴースト
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ロールス・ロイス・モーター・カーズは10月29日にイギリスでワールドプレミアした『ブラックバッジ・ゴースト』を日本でも発表し、受注を開始した。

◆“ブラック”は日本から発信もしている

「ロールスロイスは様々な分野において最高のもの、つまりラグジュアリーそのもの示すときに例えるブランド名でもある。それでいうラグジュアリーとは最高の品質、最高の職人技など本質となる要素がたくさん含まれているが、特にデザインに関しては、何よりもお客様の要望によって決まってくる」と述べるのは、同社アジア太平洋北部地域広報マネージャーのローズマリー・ミッチェル氏だ。

ロールス・ロイス・モーター・カーズアジア太平洋北部地域広報マネージャーのローズマリー・ミッチェル氏ロールス・ロイス・モーター・カーズアジア太平洋北部地域広報マネージャーのローズマリー・ミッチェル氏

そして、ロールスロイスは創業以来、「反骨精神を持つ方々、つまり“破壊者”たちを魅了してきた」という。こうした人々は、「自分の意志でラグジュアリーを定義する。例えば、スーツではなくストリートウェアを身に着けたり、銀行ではなくブロックチェーンを利用したり」とそのキャラクターを説明し、そうした人たちが「自分のロールスロイスをよりダークにしたいと希望された。それがブラックバッジだ」とその成り立ちを説明。

ブラックバッジは2016年の導入以来、特に日本で人気を集めている。現在ブラックバッジシリーズが設けられた車種で合算すると、「グローバルで27%のシェアであるのに対し、日本は52%にも上る」という。その理由は「偶然ではない」とローズマリー氏。「建築界では焼杉の家が世界的に評価されるようになり、ファッション界ではヨージヤマモトやコム・デ・ギャルソンを中心にノワールの美学が広がっている。様々な分野で日本からブラック、黒を軸に世界に影響を与えてきたのだ」とその背景を語る。

また、ロールス・ロイスモーター・カーズCEOのトルステン・ミューラー・エトヴェシュ氏もブラックバッジに関し、「これまでとは違うタイプのお客様に向けた商品。決まりごとに縛られず、リスクを恐れず、慣習を打ち破る人達に向けたもの」とコメント。開発当時、「このアイディアは非常に大きな反響を呼んだ。これまでラグジュアリー業界がほとんど意識してこなかった層に応えようとしていたからだ」と述べる。そうした人たちの、「大胆で、勇敢で、我が道を行くような革新者たちの特殊なニーズを満たすためには、まず、私たち自身の隠された姿、つまり我々の“ダークサイド”を探り、見出していく作業が必要だった」と振り返る。

そしてロールスロイスは、「より現代的なもうひとつのロールスロイスのペルソナを理解することで、どのように表現すべきかを何か月にもわたる議論を重ねた。どう語られるべきか、どのような美的表現が相応しいのか。そうして新たなお客様に伝える方法はひとつしかないと確信した」。それがカラーだった。「多くのアーティストや技術者、科学者たちが、単なる色以上だと考えるような力強い色にする。それが“ブラック”だ」と述べた。

◆好調なゴーストをさらに後押し

さて、昨年デビューした新型ゴーストについて、同社ローンチ&プロダクトマネージャーのスティーブン・フィンチ氏は、「ピュアで機敏で自信に満ちたニューゴーストの、ミニマリストでポスト・オピュレンス(脱贅沢)なデザインは、ゴーストの既存のお客様にはもちろん、当ブランドの新しいお客様にも大変好評をいただいた」と他ブランドからの流入も含めて好調であることを強調。そして、「自信に満ちダイナミックでパワフル、ミニマリストでポストオピュレンスなデザインを膨らませたり、覆したりして、最もピュアで高度なテクノロジーを採用したクルマがブラックバッジ・ゴーストだ」と話す。

ブラックバッジ・ゴーストのシルエットは、「専用のアロイホイールが、シャープで現代的なワフトライン(サイドシル上のキャラクターライン)を強調」。そのほかに、スピリットオブエクスタシー、バッジ、グリル、エアインテークのアクセントなどがダーククロームで仕上げられた。リア周りもテールライト、トランクフィニッシャーエグゾーストにもダーククロームが採用された。

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サイドシルには、イルミネーテッドトレッドプレートが取り付けられ、インフィニティのモチーフを見ることが出来る。「これは2016年にブラックバッジブランドを立ち上げたときに初めて導入したもので、それ以来ずっとブラックバッジブランドの特徴である」とフィンチ氏。

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搭載されるエンジンは、6.75リッターV型12ツインターボエンジンで、ゴーストにプラス29psした600ps、最大トルクも50Nm上乗せされ900Nmに向上した。その結果、0km/hから100km/hの到達時間と0mphから60mphの到達時間がともに0.1秒向上したという。そのために、エアスプリングを大型化もされた。

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また、ステアリングコラから生えているシフトレバーにあるLOWボタンを押すと、シフトスケジュールやアクセルレスポンスが変更されるほか、「エキゾーストフラップが開くので常にエンジン音を楽しむことが出来る」とドライビングプレジャーがより増していることをコメントした。

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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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